2023.12.28
投資の『悪い利益』と『良い損失』
元金融機関のプロ為替ディーラー
沖縄トレード学院 学院長の新里竜一です。
投資のよくある勘違い
投資を行なう目的は『資産を増やす』という事ですので、増えれば(利益になれば)OK、減れば(損失になれば)NGと考えてしまいがちですが、実はそうではありません。
利益でも、その利益が発生してしまうと、後々損失に繋がってしまう「悪い利益」と後々利益に繋がる「良い利益」というものがあります。
今回は、投資の『悪い利益』と『良い損失』についてお伝えします。
良い損失と悪い利益
早速ですが、「良い損失」とはなんでしょうか。それは「計画内の損失」です。
例えば、下記の取引があります。
この取引は、画像では3回中1回損失しておりますがこれは計画内の損失です。過去の値動きを使ってバックテストをすると5年間で勝率64%ですのでデータとして10回中4回程度は損失になると分かっています。利益と損失を繰り返しながら利益を積み上げていく計画ですので「利益を積み上げるための損失」ということができます。
逆に悪い利益というのは計画外の利益です。1,2回の取引で投資を終わるのであれば構いませんが継続的に利益を上げ続けたいのであれば、計画外の利益は『悪い利益』となります。
計画外の利益の欠点は再現性が無いところです。なぜ売買したかという根拠が無いので繰り返しようがありません。
また、計画外の取引で利益になった場合「計画外のことをやっても利益になる」と勘違いしてしまうことがあります。そういう思考になると気分で取引し続けることになります。
損失になっても続ける
損失というのは、心理的なダメージが大きいです。これは手に入れたものを失いたくないという人間の心理からくるものです。
取引の計画を立てて「損失も計画のうち」という認識を持たなければ、「損失=×」という考えに至り取引方法をコロコロ変えたり、取り返したいという気持ちから取引量を増やしてしまいます。
投資は利益と損失の繰り返しです。計画的な損失は次の利益に繋がり、無計画な利益は損失に繋がることを意識して、計画的な取引を心掛けましょう。
沖縄トレード学院
学院長 新里竜一
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FX会社大手の金融機関「外為どっとコム」で為替のプロディーラーとして約7年間勤務。世界の銀行を相手に毎日数百億円の取引を行う。
現在は沖縄トレード学院の学院長として、数百の自動売買システムで検証した再現性ある投資手法を「一生使える投資の技術」として延べ800名以上の受講生に伝え続けている